新しいキットの紹介
Acyl-CoA oxidaseを用いる遊離脂肪酸測定キットの使用経験
林 由扶子
1
,
石川 けい子
1
,
橋本 寿美子
1
,
仁科 甫啓
1
1虎の門病院臨床化学検査部
pp.1569-1572
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915660
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はじめに
血清中の遊離脂肪酸(Free Fatty Acids;FFA)の測定には,大別してDole1)に始まりGordon2),Trout3)らによって開発された抽出滴定法と,FFAの金属錯塩を有機溶媒で抽出後発色させる比色法とがあった.後者には,銅塩を用いるDuncombe法4),Itaya-Ui法5),コバルト錯塩を用いるNovak法6),Elphick法7)があり,臨床化学分野で日常検査法として用いられてきたが,操作が繁雑で長時間を要し,有機溶媒を用いるなど多くの問題があった.また血中FFA濃度は脂肪代謝や糖代謝,内分泌性の影響を敏感に受け,寒冷,恐怖,外傷,ショックなど生体の各種刺激で変動するため測定回数を市ねる必要があり,より簡便な測定法が望まれていた.
最近,これらの問題点を解消した酵素法8,9)が登場したが,依然迅速簡便性などの点で聞題がみられた.今回新しい酵素法としてAcyl-CoA oxidaseを用いる比色法(日本商事,遊離脂肪酸測定用ACS-ACO酵素法試薬キット;NEFAキット-S)が開発された.これを検討する機会を得たのでその結果を報告する.
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