新しいキットの紹介
EIA法による血中サイロキシンの測定
三上 恵世
1
,
塩谷 節子
1
,
亀井 幸子
1
,
大久保 昭行
1
,
山中 學
1
1東京大学病院中央検査部
pp.1565-1568
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915659
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
血中サイロキシン(T4)の測定は甲状腺疾患の診断及びその治療経過を知るうえで不可欠の検査である.血中T4の測定にはCompetitive protein binding analysis(CPBA)法1,2),Radioimmunoassay (RIA)法3,4)などがある.しかし両者とも放射性物質を標識物質として使用するため特殊な設備,装置を必要とし,使用後の放射性物質の廃棄など種々の問題を抱えており,放射性物質を用いないで済む定量法の開発が望まれていた.EngvallとPerlmann (1971)によって開発された酵素免疫測定法5)(EIA)は,この要望を満たすものとして大きな期待が寄ぜられて,T4測定への応用開発が試みられた6〜8).
今回我々は酵素免疫測定法の一つで,プラスチックチューブの内壁にT4抗体をコーティングした固相法を用い,ペルオキシダービ(POD)を標識物質とした血中T4測定用キットELISA-T4を検討する機会を得,その基礎的検討を行ったので報告する.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.