技術講座 生化学
遊離脂肪酸の測定法
栢森 裕三
1
,
片山 善章
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.706-710
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204143
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遊離脂肪酸(FFAまたはNEFA)は血中総脂質からみればわずか1〜2%にすぎないが,その血中におけるturn over rateは1.7〜3.1分と非常に速い.他の脂質類のほとんどがアポ蛋白と結合し血中を流れているのに対して,FFAの約80%はアルブミンと結合して存在している(アルブミン1分子に対してFFAが20数個結合可能).また,その血中濃度は脂肪組織からhormone sensitive lipaseの作用により動員されるものと,肝,筋肉,その他の組織で摂取されるものとの平衡により規定され,インスリンなどのホルモンとの関連性もあって日内の生理的変動の大きな物質である.
以下,その測定法を中心として検体保存の問題点などについて述べる.
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