私のくふう
図形・赤色フィルターを併用した閃光刺激による脳波賦活法の改良
高橋 剛夫
1
,
塚原 保夫
2
1仙台市立病院神経科
2東北大応用情報学研究センター
pp.586
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915467
- 有料閲覧
- 文献概要
1946年,Walterら1)がストロボスコープ(ストロボ)を用いた白色閃光点滅刺激による脳波賦活(閃光刺激賦活)を報告して以来,本法は重要な脳波賦活法の一つとして,現在でも広く実施されている.ところが閃光刺激賦活で誘発される発作波は,むしろ赤色点滅3)や点滅図形刺激2,5,7,10)に鋭敏に反応し,時には単なる図形刺激1,5,7,10)がその誘因となることが知られるようになった.
さきに我々は,視覚刺激装置SLS−5100(日本光電)による脳波賦活法8)を本誌6)でも紹介した.本装置を用いると,20cd/m2という低輝度の一定条件下で,図形,点滅図形,赤色点滅刺激を容易に与えることができる.その発作波賦活効果をみると,閃光刺激賦活に優るだけでなく,定性・定量的な所見の把握が可能である.しかし視覚刺激装置を用いた方法は坐位で行うという不便さがある.そこで視覚刺激装置による方法の簡便法として,ストロボの前に以下のフィルターを装着して刺激する方法9)を案出した(図).
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.