今月の主題 甲状腺
技術解説
甲状腺シンチグラムの臨床的価値
伊藤 國彦
1
1伊藤病院
pp.1351-1357
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915297
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甲状腺シンチグラムは甲状腺疾患の臨床の中でも,特に甲状腺の腫瘍性疾患に対して価値がある.この検査法の診断の意義を正しく評価して,目的に応じて施行すべきである.とかく最近は諸種検査法の進歩によりあらゆる検査を網羅して診断を下すという傾向があるが,甲状腺疾患の中でも甲状腺シンチグラムは必要がない場合も少なくない.甲状腺腫瘍の診断のうえでも甲状腺シンチグラムは万能ではない.したがって,例えば妊娠の疑いのある患者に施行すべきではないし,また授乳中の患者に授乳を中止させてまで施行する必要はない.
甲状腺シンチグラムは理学的診断あるいは諸種検査の系列の中にあって価値がある.したがって著者は,甲状腺疾患の診断の中でのシンチグラムの存在意義を中心に述べる.技術的な問題は著者らの任ではないので,専門書を参考にしていただきたい.初めに甲状腺疾患,特に腫瘍性疾患について解説することにした.
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