今月の主題 甲状腺
技術解説
TBG,PBI,BEIの測定法
屋形 稔
1
,
三国 龍彦
2
1新潟大学,中央検査部
2新潟鉄道病院内分泌内科
pp.1343-1350
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915296
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甲状腺から分泌された甲状腺ホルモン(T3,T4)は血液中で大部分が血清蛋白と結合して存在する.また甲状腺ホルモンは有機ヨード化合物であるから,血中ホルモン濃度は,このT4結合蛋白(thyro-xine binding protein;TBP)中のヨードを測定することによって間接的に知ることができる.これがPBI及びBEIで,優れた甲状腺機能検査法の一つとして古くから広く用いられてきたが,測定操作が複雑であること,厳重なヨード制限が必要なことなどから,T3,T4が直接RIAなどで測定しうる現在ではほとんど用いられなくなっている.
一方,T4のTBPへの結合状態から血中T3濃度を相対的に測定するものとしてT3摂取率試験がある.in vitroで血清に加えた131Iあるいは125I-T3がTBPのT4不飽和部分とレジンなどの吸着物質とに競合的に結合することを利用したもので,現在多種類のキットが市販され,簡単に測定できるようになった.しかも甲状腺機能をよく反映しており,スクリーニングとして極めて有用な検査法である.PBIと異なりヨードに影響されないが,TBP特にTBGのT4結合能に影響される欠点がある.そのTBGも近年RIAによって測定が可能になっているので,それらについて解説したい.
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