今月の主題 甲状腺
総説
下垂体—甲状腺系ホルモンと臨床的意義
畔 立子
1
,
宮井 潔
1
1大阪大学病院中央臨床検査部
pp.1359-1365
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915298
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下垂体が甲状腺の機能に関与していることは今から1世紀以上も前から知られていた.1921年Smith1)が下垂体前葉に甲状腺刺激ホルモンが存在することを報告して以来,このホルモンをthyroid stimulating hormone,thyrotropin (TSH)と呼ぶようになった.更にTSHの生物学的測定法(bioassay)が開発され,甲状腺ホルモン(thy-roxine;T4や3-5'−3'—l-triiodothyronine;T3)を投与するとTSHは抑制されることが認められた.
その後種々の研究の結果,Salterは"下垂体—甲状腺系(pituitary-thyroid axis)"という言葉を提唱し,古典的なネガティブフィードバック機構(negative feed back system)の概念が認識されるようになった,1967年Odell2)はラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay;RIA)を開発し,これによって血中の微量なTSHの測定が可能となった.
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