特集 免疫学的検査の進歩
Ⅰ.免疫不全
リンパ球検査
3.培養試験—1)芽球化反応
河野 均也
1
,
土屋 達行
1
1日本大学・臨床病理
pp.1110-1114
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915242
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リンパ球に種々な特異的,あるいは非特異的芽球化惹起因子を加えて培養することにより起こるリンパ球の芽球化現象1)は,免疫機構に主役を果たしているリンパ球の機能を検索する方法として広く実施されている.またその応用は,リンパ球のサブポピュレーションの検討2)をはじめ,疾病の病因論的考察3)及び予後の判定,あるいは臓器移植における組織適合性試験4)の一つとしてなど,極めて広範な応用がなされている.
本項では芽球化惹起物質及びPHAを用いた芽球化試験の手技について簡単に解説するが,本試験には芽球化した細胞を形態学的に観察する方法や,DNA,RNAの前駆物質に放射性物質を標識したものを加えて培養し,芽球化細胞への摂取率をみることで判定する方法など多くの改良法が考案されており,実施に際してはそれぞれの施設に適した方法を選択すべきである.
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