今月の主題 リンパ球
技術解説
細胞培養試験と分裂促進物質
笠原 忠
1
,
伊藤 喜久
2
1自治医科大学医動物
2自治医科大学臨床病理
pp.660-667
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915138
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免疫不全症,アレルギー性疾患,癌,臓器移植などにおける免疫学的機能検査法としてリンパ球培養法は,リンパ球の表面マーカーの検出とともに,最近広く行われつつある.リンパ球の培養法は,生体の体液性免疫能及び細胞性免疫をin vitroで知るための重要な検査である.前者の目的にはB細胞による抗体産生能を,また後者のためにはPHAや種々の抗原に対するリンパ球の芽球化反応,MIF産生あるいは腫瘍細胞に対する細胞障害活性の測定などが行われる.最近では更に臓器移植においてリンパ球の混合培養法によるHLAのタイピングは必須の検査であり,検査室でのルーチン化が望まれる.
ここでは特にヒト末梢血リンパ球の分離と,その培養法及びその基礎的検討について実験例を示した.更にリンパ球の分裂促進活性を有する種々の物質についてまとめ,解説を試みた.
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