今月の表紙
細胞分裂と染色体
巽 典之
1
,
鎌田 貴子
1
,
近藤 弘
2
1大阪市立大学医学部臨床検査医学
2大阪府立看護大学短期大学部
pp.847
発行日 1996年9月1日
Published Date 1996/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902874
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細胞分裂中期に染色体が形成されることは,中学生の教科書に出てくる事項である.動原体を中心に短腕(p)と長腕(q)に分かれた幾何的ともいえるきれいな像をとることは昭和30年代の教科書Allgemeine Zoologieに図示され始めた.その後karyotype analysisは通常の検査法と化し(図b),さらに特定の染色体部位を染め出す方法が考案され,染色体異常症の解析に役だっている.図cは,C-band染色であるDA-DAPI法によるものである.
これまで数多くの染色体像を観察したが,相同染色体が2つずつきれいに並列し分布している症例を初めて見たときは感激!その図を後生大事にとっておき,症例報告しようと思っているうちに,結局のところ,どこかに失ってしまい,ガッカリしたことがある.
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