Japanese
English
研究
腎生検標本における免疫複合体観察のためのマッソン・トリクローム染色の応用
Application of Masson's Trichrome Staining to Detect Immune Complex Deposits in the Renal Biopsy Specimen.
藤沼 裕明
1
,
宇賀神 絹代
1
,
金敷 俊枝
1
,
小西 晴夫
1
,
羽角 安夫
1
Hiroaki FUJINUMA
1
,
Kinuyo UGAJIN
1
,
Toshie KANASHIKI
1
,
Haruo KONISHI
1
,
Yasuo HASUMI
1
1栃木県済生会宇都宮病院検査部病理
1Clinical, Laboratory Saiseikai Utsunomiya Hospital
pp.181-184
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915025
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緒言
近年,多数の腎生検が行われるようになり,多くの新知見がもたらされている1).それには病態の経過観察が可能なことのほかに,螢光抗体法や電子顕微鏡での観察が大きく貢献しており,糸球体腎炎の発症に関しては,免疫複合体の関与が重要視されている1〜3).したがって,腎生検における螢光抗体法及び電子顕微鏡による検索は不可欠とも言えるが,現在,すべての検査室で利用できる方法とは言えず,パラフィン切片により免疫複合体の証明が可能となれば,その応用範囲は広いものと考えられる.
最近,腎生検のパラフィン切片による免疫複合体を含む蛋白沈着物の手軽な証明法として,マッソン・トリクローム染色(以下MT染色)の応用が報告されている4,5).著者らはこれの追試を行い,MT染色所見と螢光抗体法の所見とを比較し,MT染色の染色法とその有用性について,若干の検討を加えたので報告する.
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