今月の主題 免疫複合体
技術解説
Clq結合試験
桜井 徹志
1
,
小山 哲夫
1
,
田村 昇
2
1筑波大学臨床医学系内科
2筑波大学基礎医学系・免疫
pp.7-18
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914988
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Clq結合試験というのは,免疫複合体を検出するのに,Clqが免疫複合体に結合する性質を利用した方法である.すなわち,Clqは補体第一成分(C1)のsubcomponents,Clq,Clr,Clsの一つで,免疫複合体を認識してこれに結合するという特性を持っている(図1).この特性を免疫複合体の検出に利用するわけである.
これには表1に示すごとく,幾つかの方法が考えられている("Clq結合試験"が,後に述べるポリエチレングリコール沈殿法を意味することがあるので注意を要する).Aの沈降反応は,Clqと免疫複合体の結合反応を寒天内で行わせ,免疫複合体の存在を沈降線として見ようというものであり,Bのラジオイムノアッセイを用いる方法は,125Iを標識したClqまたは抗ヒトIgG抗体を免疫複合体と反応させ,免疫複合体に結合したClqまたは抗ヒトIgG抗体の放射活性から免疫複合体量の多少を知ろうとするものである.この方法は鋭敏でaggre-gated IgG (aggr.IgG)換算量で数μg/mlの免疫複合体量を検出できるという.まず,これらの試験に用いられるClq精製法の実際,アイソトープ標識法の概略について述べた後,各々の方法の手技につき説明していきたい.
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