技術解説
マイクロ法による補体結合試験
井上 栄
1
1国立予防衛生研究所ウイルス中央検査部
pp.838-847
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908172
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ここに述べる補体結合(CF)試験のやり方は米国CDC (Center for Disease Control)の標準法1)の一部に変更を加えたもので,現在予研ウイルス中央検査部で用いられているものである.従来のCF試験法においては,補体(C)の力価は100%溶血単位で測られ,その2単位が用いられてきた.しかし,100%溶血で測られる終末点は不正確であるという難点があった.ここに述べる方法では,50%溶血を起こす補体量を1CH50単位とし,5CH50単位を用いる.溶血素とCの力価の測定は,全反応液量4.5mlで試験管にて行ない,CF本試験では全反応液量を1/30の0.15mlに縮少しマイクロプレートで行なう.CF試験の全操作を図解するのは限られた紙面では不可能なので,血清診断のための血清CF抗体価測定の部分を主として写真で図解した.CF試験法の原理,C(新鮮モルモット血清)の調製法などに関しては成書2,3)を参照されたい.
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