今月の主題 免疫複合体
技術解説
Solid phase conglutinin binding testによる血中溶性免疫複合体の測定
吉田 治義
1
,
高橋 勲
1
,
中井 庸二
1
,
井上 勝美
1
,
濱島 義博
1
1京都大学第2病理
pp.19-26
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914989
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血中に免疫複合体が形成されると補体系の活性化が引き起こされる.その反応経路は免疫複合体を構成する免疫グロブリンのクラスの違いにより異なっており,IgGやIgM抗体から成る免疫複合体は主としてclassical pathwayを,IgA抗体から成るものはalternative pathwayを活性化する.しかしいずれのpathwayも引き続いて補体成分C3の活性化を来す(図1).免疫複合体がC3と反応すると,その分解産物であるC3bが免疫複合体の抗体側に結合するが,C3bはその後C3b inactivatorの作用を受けて分解しC3biの形となり,更にC3cとC3dとに分解される.
我々の行ったsolid phase conglutinin bindingtest (以下KgBT)は,conglutinin (以下Kg)が免疫複合体に結合したC3biとCa2+の存在下で特異的に結合するという性質を利用した,血中溶性免疫複合体の検出法である.Kg自体は,ウシ血清が抗体及び補体と反応した赤血球(EAC)を強く凝集させることから研究が進み,現在までに表1に示すような性質が明らかにされている.
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