特集 免疫組織・細胞化学検査
基礎と技術
6.染色法
3)発色法(重染色法)
稲田 健一
1
,
長村 義之
2
Ken-ichi INADA
1
,
Yoshiyuki OSAMURA
2
1愛知県がんセンター研究所病理学第一部
2東海大学医学部病態診断系病理学
pp.39-41
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902659
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免疫組織化学における重染色法とは,同一組織切片上の複数の抗原の局在を,異なる抗体と色素で染め分けることにより同時に証明する染色法である.反応のステップが単染色より多いため日常の病理診断にはやや使いにくい反面,研究室レベルでは広く行われてきた.数々の癌遺伝子や癌抑制遺伝子,増殖因子やホルモン受容体と細胞の分化増殖,癌の浸潤転移と接着分子など,近年の細胞生物学や病理学の進歩に伴い,その有用性はますます増していると考えられる.重染色法の中では,二重染色法が最も一般的である.三重染色も可能であるが手技的に繁雑であり,また,十分に考えて行わないと色素の識別が困難となり,特殊な用途以外には使いにくい.したがって二重染色法に話しを絞って概説する.細かい技術面の解説は多くの成書があるので,詳しくはそれらを参考にしていただきたい.ここでは研究レベルでの実際的な利用方法に重点を置きたいと思う.
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