特集 小児の臨床検査
Ⅳ.患児検査
E.超音波による心疾患の解剖学的診断
長井 靖夫
1
,
足立 文子
2
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所小児科
2東京女子医科大学日本心臓血圧研究所超音波検査室
pp.1282-1297
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914560
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超音波(UCG)の歴史や原理については,既に内藤1)により述べられているので,今回は省略する.UCGの先天性心疾患における応用は広く,多くの複合心奇形でも診断が可能となっているが,その複合ゆえに難しいとされている.しかし,先天性心疾患を診断するうえでのルールを知ることによりUCG上の診断はより容易となる2〜5).今回はそのルールを示し,先天性心疾患を診断していくステップを解説したい.
先天性心疾患を診断する場合には,左右心室の位置,大動脈弁と肺動脈弁の位置,左右心房の位置,そして,大動脈と肺動脈がどちらの心室から起始するかを知り,各々の空間的位置関係を知ることが大切である.UCGから,三尖弁と僧帽弁の区別,左右心室の区別,大動脈弁と肺動脈弁の区別が可能である.
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