特集 小児の臨床検査
Ⅳ.患児検査
F.肺機能
雉本 忠市
1
1都立清瀬小児病院呼吸器科
pp.1298-1304
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914561
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小児を対象として肺機能を測定する場合,成人と全く同じやり方では信頼に足る測定値が得られないことが多い.しかし根気よく細心に行えば,小児でも十分正確な値が得られ,臨床にも大いに役立つことを銘記して欲しい.また肺機能測定機器のほとんどは成人用に作られており,そのまま小児に用いると測定誤差が大きすぎて得られた値が余り意味を持たなくなる場合が多い.したがって測定機器の精度をよく検定するとともに,場合によっては機器の死腔を小さくしたり,精度を上げる工夫が必要となる.正常値に関しても,既存の正常値をそのまま比較の対象とすることは危険で,それぞれ使用した機器による自己の正常値を作ることが望ましく,少なくとも自己の正常測定値と既存の正常値の合致度を検討しておくべきである.
ここでは現在臨床的に(研究的にではなく)測定されている小児肺機能検査について,その測定方法と注意点について述べる.
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