技術解説
パラコアグレーションテスト
藤巻 道男
1
,
池松 正次郎
1
,
加藤 正俊
1
,
小柳 隆久
1
1東京医科大学・臨床病理
pp.710-716
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914407
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パラコアグレーションテスト(paracoagula-tion test)はフィブリンモノマー,フィブリン由来のFDP及びこれらの複合体の検出法として,臨床的には播種性血管内血液凝固(dissemi-nated intravascular coagulation;DIC)の検査として用いられている.
Derechinら(1955)はフィブリノゲン及びフィブリンのプラスミン分解産物であるFDP (fib-rinogen and fibrin degradation product)にトロンビンと塩基性タンパクである硫酸プロタミンを添加するとフィブリン様の沈殿物が形成されることを観察し,これをパラコアグレーション(paracoagulation)と呼称した.その後Lipin-skiら(1967)は可溶性フィブリンモノマー複合体(soluble fibrin monomer complex;SFMC)を基質とした場合にも同様にパラコアグレーションの起こることを認めている.またHornら(1969),Niewiarowskiら(1970,1971)はFDPに硫酸プロタミンを単独に添加するだけでもパラコアグレーションを認め,更にNiewiarowskiら(1968,1970)は硫酸プロタミンの代わりに血小板第4因子(PF4)でもフィブリン様凝塊Pa-raclotが生じることを報告している.
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