最近の検査技術
パラコアグレーションテスト
藤巻 道男
1
,
池松 正次郎
1
,
加藤 正俊
1東京医科大学臨床病理
pp.989-994
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201754
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血液中にトロンビンが形成されるとトロンビンによって,フィブリノゲンからフィブリノペプチドAとBが遊離してフィブリンモノマーが形成される.このフィブンモノマーはフィブリノゲンまたはプラスミンによって分解したフィブリン体分解物(fibrinogen and fibrin degradation products;FDP)と会合し,可溶性フィブリンモノマー複合体(soluble fibrin monomer complex;SFMC)を形成する.
このSFMCは塩基性タンパクである硫酸プロタミンあるいはエタノールを添加するとフィブリン様物質(paraclot)を形成するので,SFMCの検出法としてパラコアグレーションテスト(paracoagulation test)がある.したがって,臨床的には凝固亢進状態(hypercoagulable state),血栓症(thrombosis)及び血管内凝固症候群(disseminatedintravascular coagulation;DIC)の凝血学的スクリーニングテストとして用いられている.
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