技術解説
LDHアノマリーの解析
長嶺 光隆
1,2
1福岡市医師会病院内科
2現九州大学・検査部
pp.703-709
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914406
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血清LDHアイソザイム分画の過剰出現ないしは欠損,更に偏位を示すLDHアノマリーは,その成因によって,①サブユニットの合成欠損ないし低形成,②遺伝的変異,③腫瘍産生,④不活性化因子の存在,⑤LDH分子と免疫グロブリンとの結合に大別される.ところで,これらの中で最も高頻度に見出されるのは免疫グロブリン結合性LDHアノマリーであり,1976年10月の全国調査1)によるとその総数は106例であった.アノマリー症例が追加報告される一方で,井本ら2),菅野ら3)の研究によってこれらLDH結合性免疫グロブリンが自己抗体である知見が得られ,このLDHアノマリーは自己免疫現象の一つとして注目されつつある.
ここでは,まず当院において行っているLDHアイソザイム分析法を紹介し,次いで免疫グロブリン結合性アノマリーの解析法の実際について解説する.
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