新しい心機能検査法・3
サーモディリューション法による心機能測定
田村 康二
1
1新潟大学・第1内科
pp.301-305
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914300
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熱希釈法による血流量測定法は基本的には熱を指示薬とする指示薬希釈法である1〜3).この方法はFegler (1953年)が初めて用いた方法である.その後理論的な検討が進み,心拍出量のみならず広く血流量測定法として利用されるようになった1〜3).いまだに批判する人はあるが,米国のみならず欧州の各国の主たる心臓病のセンターで受け入れられるようになってきている.我が国でも特にSwan-Ganz氏バルーンサーミスターカテーテルと血流量測定用コンピューターの装置が一般に容易に入手可能となり,だれにでも測定可能となってからは広く普及してきている.
しかしながらこれだけ普及していながら基本的な希釈法の理論と熱指示薬の特殊性,更には本法の誤差については十分に理解されていないように思う.そこで本法の正しい利用を期待して,本法に伴う実用上の諸問題を記して諸氏の参考としたい.
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