Laboratory Instrumentation
原子吸光装置
村中 日出夫
1
1日本専売公社京都病院・第1内科
pp.96-99
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914249
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臨床医学におけるナトリウム,カリウム,マグネシウム,鉄,銅など電解質,微量金属の体液中濃度の測定は,疾病の診断,治療に必要欠くべからざる検査法となっている.また生体試料中の水銀,鉛,カドミウムなどの非生理的微量金属の定量は,環境汚染,公害問題への医学的アプローチの重要な手段である.これら微量金属の測定には,1960年J.B.Willis1)によって医学領域に導入された原子吸光分析法(Atomic Absorption Spec-trophotometry;AAS)が現在のところ最も有用である.我が国におけるAASの歴史は,1961年に日立製作所が在来の分光光度計に組み合わせて原子吸光分析計を試作したことに始まり,1969年での医学分野における普及率は全体の19%であり2),その後機器の進歩とともに更に広く利用されるようになっている.
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