研究
施設間差,個人差実験を含んだ各種尿一般検査法の比較実験
富田 仁
1
,
福井 巌
2
,
曾山 浩吉
2
,
岸川 敏治
2
,
出井 勝重
3
,
菱本 恒温
3
,
花沢 明
3
,
林 泰三
4
,
山口 春雄
4
,
金田 恵孝
4
,
西村 甲子夫
5
,
林 長蔵
6
,
今井 宣子
6
,
奥田 清
7
,
畠山 勅男
7
,
赤井 俊洋
7
,
梅垣 健三
8
,
松岡 洋一
8
,
久保田 力
8
,
山口 延男
9
1京都大学中央検査部
2京都府立医科大学臨床検査部
3国立京都病院研究検査科
4大阪医科大学中央臨床検査部
5関西医科大学香里病院中央検査部
6大阪大学中央臨床検査部
7大阪市立大学中央臨床検査部
8奈良県立医科大学中央臨床検査部
9神戸大学中央検査部
pp.76-82
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914244
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はしがき
臨床検査,特に臨床化学検査の精度管理は,分析の自動化と相まって著しく進歩したが,尿の化学的検査は,最近ようやくコントロール尿が使用されるようになったとはいえ,問題が多い.特に,ほとんどの尿化学成分が,試験紙で定性ないし半定量できるようになったけれども,簡易だとの観念の下に,安易に使用していると思わぬ失敗をする.いろいろのメーカーによる製品があるうえに,保存と取り扱いの問題もあり,最終的には個人の主観的肉眼判定によるので客観性に乏しい.
著者らは,近畿地区という狭い地区において,厳格な条件の下に作製し取り扱われた同一人工尿(従来のように水に純品を加えたものではなく健康人尿をベースにして作ったもの),同一患者尿を9大病院の検査施設に,同じ日に配布し,同一ロットのAMES Stix,同一ロットのユリフレットと尿自動分析器オーションアナライザーを用いて,尿pH,糖,タンパク,潜血,ケトン,ビリルビンを測定してもらい,施設間差,個人差を,また同時に従来定量法によるタンパク,糖の測定値の施設間差をもみた.
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