学会印象記 20th Lunteren Lectures on Molecular Genetics
若手分子生物学者の集中的な情報交換の場
飯田 哲也
1
Tetsuya IIDA
1
1大阪大学微生物病研究所
pp.154
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913905
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20th Lunteren Lectures on Molecular Geneticsが1988年9月27日から30日にかけてオランダ国内の閑静な地方都市,ランテレンにおいて開催された.この学会はいわば米国のゴードンカンファレンスのヨーロッパ版といった風で,若手の分子生物学者たちがその年ごとに決められるテーマのもとにこの地に集まり,会議場と同敷地内にある宿泊施設に泊まり込んで学会に参加するものであり,今回は20回を数えている.本年のテーマは「細菌の病原因子の分子生物学」であり,西欧を中心に約160名の参加があった.学会は招待講演,ポスター展示,および「ラウンドテーブル」からなり,連日朝から晩までびっしり予定が組まれていた.
招待講演ではMekalanos(米),Meyer(西独),Normark(スウェーデン),Sansonnetti(仏)ら,細菌学の分野において分子遺伝学的手法を用いて活発な研究を行っている計12名の研究者によって報告がなされた.ポスター展示においては70近くの一般演題が学会期間中を通して展示され,特に設けられたポスターセッションの時間に,ポスター演題に関する質疑応答が行われた.ユニークであったのは「ラウンドテーブル」と名づけられたセッションで,ポスター展示において複数の演題がみられた話題を中心に4つのトピックスが選ばれ,それぞれについて参加者全員による自由討論の場が設けられた.
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