今月の主題 臨床生理検査の自動化
話題
医療用レーザーカード
椎名 晋一
1
Sinichi SHIINA
1
1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学教室
キーワード:
レーザーカード
,
光カード
,
医療情報
,
レーザーカード読み・書き装置
,
信頼性
Keyword:
レーザーカード
,
光カード
,
医療情報
,
レーザーカード読み・書き装置
,
信頼性
pp.61-63
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913885
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
一人の患者について,検査データをはじめ医療情報が急速に増加する昨今,それに対応する方策が考えられている.コンピュータは情報量の増加に対応する容易さと検索の速さなどの点で目をみはるものがある.このことが,病院へのコンピュータ導入を促進させることになった.しかし,コンピュータ利用は現在のところ院内のシステム化にとどまり,大きな意味でのシステム化には至っていない.したがって,患者へのコンピュータの恩恵は十分とはいえない.患者の転医,外出先での事故などに際して,かかりつけの病院での患者情報を即座に提供することはこれまで困難であったが,それが可能になれば患者にとっての恩恵はどんなにか大きいことだろう.
そこで私どもは,医療用レーザーカードのリーダー・ライター装置の開発を目指して,日本コンラックス(株)と共同研究を行ってきて,世界に先駆けて実用化に成功したのである.このカードには医療情報を1メガバイト,すなわち普通のB5版の本として約280ページ分というきわめて膨大な文字や数字を収納することができる.したがって,このカードを患者が携帯することによって,健康保険証として,カルテ代わりとして,診療費領収書としてなど,さまざまな用途が考えられ,その有用性はきわめて高いと思われる.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.