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連載 医療DX――進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識・Vol.16
救急医療の情報分断を解決する医療DX
Medical DX to solve the information fragmentation in emergency medicine
園生 智弘
1
Tomohiro SONOO
1
1TXP Medical株式会社代表取締役
キーワード:
医療DX
,
救急医療
,
医療情報
,
個人情報保護法
Keyword:
医療DX
,
救急医療
,
医療情報
,
個人情報保護法
pp.281-287
発行日 2023年4月22日
Published Date 2023/4/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28504281
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◎近年,電子カルテの普及など個々の医療機関おけるデジタル化は進みつつある.その一方で施設間の医療情報を連携させるシステムが存在しないため,医療機関同士や医療機関と自治体など,プレイヤー間の医療情報が分断されてしまっているという課題がある.施設間で情報共有するためには,院内でデジタル化された情報を紙に写して電話やFAXでやり取りするなど,何重もの無駄が発生しているのが現状だ.こうした無駄を省いて各プレイヤーをまたいだ情報連携を実現することを目的に,われわれはNSER mobileという救急隊連携システムを開発した.NSER mobileによって実現したことは,救急医療現場における迅速な患者情報の記録,病院と救急隊のリアルタイムの情報共有,病院および消防における情報入力の二重作業解消など多岐にわたる.一般的に救急医療現場におけるデジタル化は,個人情報保護法の壁に阻まれることが多い.しかし筆者自身が救急医療の最前線に立ってきたからこそ,こうしたシステムの開発が可能となったのである.
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