検査ファイル
光カードと医療
椎名 晋一
1
1東京医科歯科大学臨床検査医学
pp.738
発行日 1992年8月1日
Published Date 1992/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901247
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[1]光カードとは
私ども臨床検査に携わっている者は,心血を注いで作り上げた検査データが,患者の診断・治療に有効に医師によって利用されることに大きな期待をもっている.しかしながら,検査データがある時点ごとの解釈に終わっていることが多い.すなわち,時系列での利用とか,個人の正常値の設定に利用されるなど,点から線への展開として使われることが少ないのである.
一方,1人の患者データについての医療情報が急速に増加する昨今,それに対応する方策が考えられている.コンピュータは,情報量に対応する容易さと検索の速さなどの点で目を見張るものがある.しかし,コンピュータの利用は現在のところ院内のシステム化にとどまり,患者の転医,外出先での事故などに際して,かかりつけの病院での患者情報を即座に提供することは困難である.
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