特集 アイソザイム検査
II.各論
18 γ-グルタミルトランスフェラーゼ
吉川 智加男
1
,
中 恵一
1
,
大川 二朗
2
Chikao YOSHIKAWA
1
,
Keiichi NAKA
1
,
Jiro OHKAWA
2
1大阪市立大学医学部臨床検査医学講座
2兵庫県立成人病センター研究調査部
pp.1339-1344
発行日 1988年10月30日
Published Date 1988/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913803
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物理化学的性状および由来
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)は,γ-カルボキシル基で結合しているグルタミン酸を切り離す酵素であり,またアクセプターであるアミノ酸が存在するときはγ-グルタミル基を他のアミノ酸に転移させる酵素であることから,そのトランスフェラーゼと呼ばれている.
GGTは膜結合性の糖蛋白であって,腎,膵に活性が高く,brush border membrane酵素として存在する.肝細胞のGGTは大部分がミクロソーム分画に局在しており,血清中にはわずかに可溶化された形で存在する.血清中のGGTは肝由来であり,尿中GGTは腎由来である.
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