特集 アイソザイム検査
II.各論
19 グアナーゼ
伊東 進
1
,
松田 佳子
2
Susumu ITO
1
,
Yoshiko MATSUDA
2
1徳島大学医学部第二内科学教室
2徳島大学酵素科学センター酵素化学部門
pp.1346-1350
発行日 1988年10月30日
Published Date 1988/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913805
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グアナーゼ(GU)は,1932年Schmidtにより初めて家兎の肝抽出液中に見いだされた酵素である.本酵素は肝,脳,腎に多く含まれ,アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST),およびアラニントランスアミナーゼ(ALT)が比較的多い骨格筋,心筋,膵などにはほとんど存在しないことから,血中GU活性の上昇は肝疾患に特異性が高いと考えられている.Passanentiの報告以来,多くの研究者により,血中GU活性の測定は肝機能検査の一つとしてその臨床応用が試みられている1).
最近,山崎ら2)により,輸血血液中GU活性と輸血後肝炎の発生率の間に有意な相関があることが明らかにされ,さらに,筆者らにより,GU活性の高い輸血血液を破棄することにより非A非B型輸血後肝炎の発生が予防できることも実証された3).そこで,血中のみならず肝組織におけるGUの動態やGUの酵素学的特性も注目されるようになってきた.しかし,アイソザイムに関する検討はいまだ十分でなく,臨床応用可能な測定法も確立されていないのが現状である.
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