特集 アイソザイム検査
I.総論
5 凝固・線溶系の酵素
高松 純樹
1
,
斎藤 英彦
1
Junki TAKAMATSU
1
,
Hidehiko SAITO
1
1名古屋大学医学部第一内科
pp.1212-1216
発行日 1988年10月30日
Published Date 1988/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913778
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はじめに
近年の凝固・線溶・血小板に関する生化学的・免疫学的・分子生物学的研究は,著しい進歩を遂げた.ほとんどの凝固・線溶系因子のcDNAがクローニングされており,一次構造や詳細な活性化機構も明らかにされている.さらに,先天性フィブリノゲン異常症をはじめとして,多くの凝固・線溶に関する蛋白の先天的な分子異常の研究から,構造と機能との関係も明確にされてきた.
凝固・線溶反応には多くの因子がかかわっており,これらは機能面から表のように分類される.このうちフィブリノゲンはゲル形成に,第V,VIII因子,組織因子,高分子キニノゲン(Fitzgerald因子)は補助因子として,おのおのの反応に参加している.それらのほかはすべて酵素前駆体であり,補体系酵素群とともに血中で非常にユニークな酵素反応系を形成している.
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