わだい
生検に適切なin situ hybridization
小路 武彦
1
,
中根 一穂
1
1東海大学・細胞生物学
pp.1325-1326
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913485
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従来,一般ならびに特殊組織化学的染色による臨床検査結果に基づいて種々の診断がなされてきたが,その精度は酵素組織化学的染色法ならびに免疫組織化学的染色法の導入によって飛躍的に向上した.それは,特定の酵素活性や既知の抗原といったように,検査の対象とする物質的基盤が明確になったからである.本稿では,対象とする物質を特定の塩基配列を有すDNA,RNAといった核酸分子にまで広げる方法論であるin situ hybridization(ISH)法を紹介する.
ISH法とは,既知の塩基配列を持つ核酸分子をプローブとして用い,それと相補的な塩基配列を持つ核酸分子の発現・局在を細胞個々のレベルで検討していこう,という新しい組織化学的方法論である.この方法には大きく分けて,放射性同位元素標識プローブを用いオートラジオグラフィー法で解析する方法と,ハプテンなどの非放射性物質でプローブを標識し標識物質の性質を利用して信号を検出する方法1)とがある.ここでは臨床検査室などでの応用を考慮して後者のハプテン標識プローブを用いた免疫組織化学的方法について述べる.FAB分類では,ALLはL1〜L3の3型に,ANLLは,1976年の初発論文1)ではM1〜M6の7型(M5はa,b2型)に分類されていたが,1985年にM7が追加され3)現在は8型に分類されている.以下,各病型を概説する.
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