糖鎖の分析法・6
モノクローナル抗体を用いた糖鎖の特異的検出方法とその臨床応用
神奈木 玲児
1
,
繁田 勝美
1
,
山肩 葉子
1
Reiji KANNAGI
1
,
Katsuyoshi SHIGETA
1
,
Yoko YAMAGATA
1
1京都大学医学部臨床検査医学教室
pp.646-655
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913345
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はじめに
KöhlerおよびMilsteinによってハイブリドーマの作成法が樹立されてから10年余の間に,癌抗原をはじめ各種の分野でこの方法によって作られたモノクローナル抗体の診断,治療への応用が進められている.特にリンパ球をはじめとする血液細胞のマーカーの分野,および癌の血清診断の分野への臨床応用が活発に行われている.
最近になって,これらのモノクローナル抗体が認識する抗原の多くが,糖鎖抗原であることが次々と判明してきた.血液細胞のマーカーの分野では,顆粒球系のマーカーであるLeuM1(CD 15)や,NK細胞のマーカーであるLeu 7が糖鎖抗原であることが判明している.また癌の血清診断の分野では,CA 19-9,シアリルSSEA−1抗原をはじめ,現在臨床応用されている抗体の認識する抗原のほとんどが糖鎖抗原である.
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