今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー
血小板
放出反応マーカーPF-4,β-TG
寮 隆吉
1
,
足立 昌司
1
,
安永 睦
1
,
吉田 明憲
1
,
菅野 亘
1
,
山口 延男
2
Ryukichi RYO
1
,
Masashi ADACHI
1
,
Mutsumi YASUNAGA
1
,
Akinori YOSHIDA
1
,
Wataru SUGANO
1
,
Nobuo YAMAGUCHI
2
1神戸大学医学部附属病院輸血部
2神戸大学医学部臨床検査医学教室
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
偽性血小板減少症
,
PF-4mRNA
,
巨核芽球性白血病
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
偽性血小板減少症
,
PF-4mRNA
,
巨核芽球性白血病
pp.1590-1596
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914179
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PF-4とβ-TGの測定は血小板の放出反応をみるマーカーとして有用であるが,血小板の活性化される代表的な疾患である血栓症の診断においても,臨床の場ではさほど必須な情報として使われていない.ただヘパリン起因性血小板減少症の際は,PF-4やβ-TGの値が病状の推移を正確に反映することを述べた.また,EDTA依存性血小板減少症の際は,抗体関与による凝集にもかかわらずPF-4やβ-TGの放出がないことを示して,PF-4とβ-TGの測定が凝集の機序を考えるうえに有用な情報を与えることを紹介した.
PF-4遺伝子の発現は成熟した巨核球の同定の良いマーカーであり,PF-4mRNAを認める巨核芽球性白血病は予後が良好であることを示唆するという,PF-4遺伝子を使った遺伝子的アプローチも紹介した.
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