今月の主題 輸血;新しい技術
技術解説
不規則抗体の検出法
古川 研
1
Ken FURUKAWA
1
1群馬大学医学部法医学教室
pp.495-501
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913316
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血液型抗体の検出法は,食塩水法,アルブミン法,酵素処理血球法および抗グロブリン試験がほぼ定着し,抗血清,パネル血球も豊富に出回って,検査がより普及してきた.しかし,術式ではその後独創的な原理やくふうを凝らした新しい方法は見当たらず,術式はほぼ完成されたとみてよいように思われる.また,最近の二十数年間の検査の中から,日本における輸血,型不適合妊娠,自己免疫疾患などの症例の主な不規則抗体の産生の状況や分布もほぼ出そろった感がある.このあたりで,日本人に適した不規則抗体の検査の手順を考えてみる時期にきているのではないかと思われる.そこで,初心に帰って,採血,血清の分離,保存から,術式のポイント,検査法の選択などについて,古くて新しい問題をもう1度掘り起こし,整理してみることにした.
抗体の検査は,「入り易くして成り難し」と言われているが,不規則抗体の検出がそれぞれの検査室に適した範囲で的確な方法で行われることが望まれる.
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