増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
輸血・移植関連検査
不規則抗体
宮崎 孔
1
,
佐藤 進一郎
1
,
池田 久實
1
1日本赤十字社北海道ブロック血液センター
pp.459-461
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223347
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検査の概要
不規則抗体とは抗A,抗B以外の赤血球抗原に対する抗体の総称であり,溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患の原因となりうる.不規則抗体の検査は大きく分けて生理食塩液法,酵素法,間接抗グロブリン試験があり,検査法によってそれぞれ特徴があるが,溶血反応に関与する臨床的意義の高い抗体は37℃で反応するIgG抗体であるため,溶血性輸血副作用を防ぐには間接抗グロブリン試験は必須である(表1).
不規則抗体スクリーニングでは臨床的に重要な抗体を検出できるように2〜4種類のO型赤血球を組み合わせた血球試薬を使用し,抗体が検出された場合は特異性を同定するために10〜20種類のO型赤血球で構成されたパネル血球試薬を用いる.さらに,血清中に複数の抗体が含まれる場合や自己抗体の存在が疑われる場合は,追加パネル血球による確認や吸着試験,解離試験などを組み合わせて同定する必要があるため,検査に時間を要する場合もある.
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