今月の主題 日和見感染症
総説
日和見感染症と免疫不全—Immunosuppressive therapyとの関連において
螺良 英郎
1
,
亀岡 陽子
1
,
吉本 幸子
1
Eiro TSUBURA
1
,
Yoko KAMEOKA
1
,
Sachiko YOSHIMOTO
1
1徳島大学医学部第三内科
pp.1467-1474
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911717
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感染症の現況
感染の成立には,感染因子(寄生体)と宿主(host)の相互関係,いわゆるhost-parasite rela-tionshipが問題である.感染菌と宿主との出会い(opportunity)が感染症成立の第一段階であるが,感染が病気として発病するには宿主の関与がなければならない.このことは古くから指摘されてきたことである.
抗菌性化学療法が登場するに及んで,宿主—寄生体相互関係に抗生剤(drug)が加わり,宿主—寄生体—抗生剤の三者の相互関係が,近年の感染症ではつねに問題となっている.抗生物質を含む化学療法の普及は,感染症の実態を大きく変えた.これに加うるに,社会環境(経済,栄養,公衆衛生)の改善によって,かつての伝染病は感染症領域から消え去ろうとしている.
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