今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の治療
免疫療法
螺良 英郎
1
,
香川 和夫
2
Eiro TSUBURA
1
,
Kazuo KAGAWA
2
1徳島大学医学部・第3内科
2徳島大学医学部・内科
pp.448-449
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217080
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癌免疫療法への考え方
癌免疫療法が,Mathé,MortonらによってBCG生菌による白血病,メラノーマで臨床効果があった報告に刺激されて,世界で爆発的ともいえるブームをよんで,ほぼ10年余り経た今日,1つの反省期に至っていると考えてよいであろう.ここでは肺癌免疫療法について個々のデータを紹介するよりも,現在の癌免疫療法についての全般的な考え方を反省してみることにする.
もともと腫瘍免疫は実験動物腫瘍でかなり以前から研究が重ねられていたが,免疫生物学の研究領域が進むにつれて抗腫瘍免疫にあずかる細胞群が明らかにされるようになって,腫瘍免疫の基礎の考え方が著しく進展してきた.このような腫瘍免疫の基礎的研究の展開と,一方で活発となった臨床での癌免疫療法の展開との間には,その考え方にギャップが存在している.
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