今月の主題 高血圧
検査と疾患—その動きと考え方・118
内分泌性高血圧
山北 宜由
1
,
村瀬 寛
1
,
皆森 良明
1
,
安田 圭吾
1
,
三浦 清
1
Noriyoshi YAMAKITA
1
,
Hiroshi MURASE
1
,
Yoshiaki MINAMORI
1
,
Keigo YASUDA
1
,
Kiyoshi MIURA
1
1岐阜大学医学部第3内科学教室
pp.53-64
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913231
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◇はじめに
現在,内分泌性高血圧症とされている主な疾患を表1に列記したが,これらは,高血圧性疾患のうちの0.3〜0.8%前後を占める1)という事実は臨床的に重要で,看過できない問題である.これら以外に,腎血管性高血圧症なども,昇圧機序からは内分泌性高血圧症と考えられる.表1のうち,糖質コルチロイド反応性高アルドステロン症(dexamethasone-suppressible hyperaldosteronism:DSH)や17α水酸化酵素欠損症(17α-hydroxylase deficiency;17-OH-D)は,病因論的に特に興味ある問題が近年提起されている.最近,われわれは,DSH国際シンポジウム(1986年6月,ローマ)に参加し,これらの疾患本邦例の全国調査の機会をもったので,本稿では,特に,この原発性アルドステロン症(PA)類縁疾患を中心にして,自験成績を対比して述べる.紙面のつごう上,I),C)の褐色細胞腫,およびII)については割愛するので,他の総説を参照されたい.
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