今月の主題 造血器
総説
免疫と造血—免疫による造血の調節
北村 聖
1
,
高久 史麿
1
Kiyoshi KITAMURA
1
,
Fumimaro TAKAKU
1
1東京大学医学部第3内科
pp.1511-1521
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913178
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造血組織において,赤血球,顆粒球,血小板などの血液細胞と,さらにはリンパ球,マクロファージなどのいわゆる免疫担当細胞が産生され,増殖・分化する.そして,これらの細胞の分化・増殖は非常に高度に調節され,酸素の運搬・止血・生体防御など生体にとって欠くことのできない機能が制御されている.免疫学・血液学の進歩により,この造血の調節機構のもっとも重要なものに,リンパ球,マクロファージなど免疫担当細胞を介したものがあることが明らかにされてきている.その調節の機序も細胞間の直接的相互作用によるものと,調節細胞の産生する液性因子を介するものとが知られている.
本稿では,免疫担当細胞による造血の調節という点に主眼を置き,正常造血と,造血異常における免疫系の役割を概説する(総説文献1,2)).
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