ワードスキャン
免疫調節剤
東 威
1
1聖マリアンナ医科大学東横病院内科
pp.648
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921756
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慢性関節リウマチ(以下,RAと略す)の原因は不明であるが,関節炎の慢性化,進行には,リウマトイド因子と呼ばれる,ヒトの免疫グロブリン(IgG)に対する自己抗体産生などの免疫異常が関係していると考えられる.
RAの薬物療法では,古くからアスピリンなどの非ステロイド系抗炎症剤が中心的薬剤であるが,この系統の薬物療法は鎮痛,抗炎症を目的とした対症療法で,そのもとにある免疫系の異常は改善しない.また,プレドニゾロンなどのステロイド系抗炎症剤も,大量では免疫系に作用するが,RAに使われるような少量では免疫系にはほとんど作用しない.すなわち,これらの薬は患者の苦痛は軽減するが,RAの根本療法にはほど遠く,その進行を抑えることもできない.
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