シリーズ・超音波診断・8
肝臓・脾臓
秋本 伸
1
Shin AKIMOTO
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
pp.884-887
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913041
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肝・脾の超音波検査における注意点も,他の腹部超音波検査のそれと大きく異なるものではない.すなわち臓器の大きさや形態の異常,臓器内部の変化,周辺臓器の間接的病変などを診断するためには,臓器全域を,可及的に多断面から観察することが必要である.この意味ではリアルタイム装置が有用であり,肝や脾のスクリーニング検査にはセクタ走査やコンベックス型探触子の使用がきわめて有効であり必須と言っても過言でない.最近の装置には簡便に2種以上の探触子をスイッチ切り換えで使用できるものがあり,観察の部位によって,また病変のより良い記録には,これらを適宜使い分けることが望ましい.さらに肝脾の全体像についての立体的な把握,関連する臓器内外の血管などの立体的把握,および画面上でのこれらの理解(すなわちいわゆる超音波解剖)が基本的な知識として重要である.
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