資料
モノクローナル抗体を用いたCEA測定法の基礎的ならびに臨床的検討
高吉 悦子
1
,
樋口 かをる
1
,
勝田 弥三郎
1
1国立病院九州がんセンター臨床検査部
pp.857-862
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912251
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緒言
癌胎児性抗原(以下CEA)は,1965年,Gold, Freed-manにより大腸癌組織より分離された糖蛋白である.当初,CEAは成人では内胚葉由来の消化器上皮に発生した癌組織のみに存在し,消化器癌に特異的な腫瘍抗原として報告された.しかし,1969年,Thomsonによりラジオイムノアッセイ法(RIA法)による定量法が開発され,微量のCEAの測定が可能となり,詳しい検索が行われるにつれて,CEAが消化器癌以外の各疾患で上昇するだけではなく,CEAおよびCEA類似の抗原が健常人の組織や血清,胃液,胆汁,尿,糞便,唾液などに存在することが報告されてきた.
現在では,消化器系に限らず,多くの悪性疾患のスクリーニングや,転移・再発の診断,癌治療効果の判定などの経過観察に臨床的意義が認められている.
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