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モノクローナル抗体を用いたAFP測定法の基礎的検討
三浦 利彦
1
,
安孫子 兵三郎
1
,
塗 たか子
1
,
佐藤 勝見
1
,
寺崎 茂
1
,
大内 栄悦
1
1東北大学医学部附属病院中央検査部
pp.591-594
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912576
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ヒトの肝癌でα—フェトプロテイン(AFP)が血中に出現することがTatarinovにより観察されて以来,血清中の腫瘍マーカーとして,特に肝細胞癌の診断に広く利用されている.しかし,多くの臨床例が発表されるに従い,血中AFPは肝細胞癌のほか,肝炎,肝硬変症,ヨーサック腫瘍,妊娠などでも高値を示すことが報告されるに至り,腫瘍特異抗原よりはむしろ腫瘍関連抗原と考えられるようになっている.しかし,AFPの臨床的有用性は高く肝細胞癌の血清学的診断法として広く用いられている.
血中AFPは,従来,測定感度のうえからラジオイムノアッセイ(RIA)法により測定されてきたが,設備や廃棄物の問題があり,酵素を用いたエンザイムイムノアッセイ(EIA)法が広く用いられるようになってきた.さらに,最近は特異性の確保と操作の簡略化のため,モノクローナル抗体を用いたAFP測定法が報告1,2)されている.
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