今月の主題 染色体
技術解説
染色体の自動分類技術
関谷 富男
1
Tomio SEKIYA
1
1防衛医科大学校医用電子工学講座
pp.777-782
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912239
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コンピューターを用いた染色体の自動分類システムは,1960年代に,パターン認識的な興味から,実用性をあまり考慮せず作られた.オフライン的処理が主流であった.1970年代には,ミニコンを用いたオンライン処理のできるシステムが作られた.初め全自動化を目標に進められ,比較的扱いやすい標本の分類は可能となったが,実用的システムのためには極端に折れ曲がっていたり,染色体同士が重なっている場合も処理する必要があり,なんらかの形で人間が介入するマン—マシン対話型システムが主流となった.
最近は環境因子による染色体異常の検出の重要さと相まって,ディジタル処理技術の向上と低コスト化,あるいは分染法,X線CT,NMR,レーザー,超音波顕微鏡などの技術的発展により新しい局面を迎えようとしている.
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