マスターしよう基本操作A
血液自動染色機の使い方
新谷 和夫
1
1関東逓信病院血液学的検査料
pp.913-920
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202607
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血液像検査で塗抹標本の作製とその染色は以後の検査成績も左右してしまうほど重要なものである.自分で作製した標本を自分で染めそれを検鏡するのが理想であるが,日々検体の増加する検査室ではまったく不可能な状態になってしまった.そこでだれでも操作できてしかも一時に数十枚の標本が染色できる自動染色機が検査室に導入されるようになった.一方パターン認識による血液像の自動分類装置が用いられるようになると,分類装置側からの条件として人が目視法で行っていたものに比べ許容範囲の狭い均一な染色性が求められるようになり自動染色機なしでは自動分類装置も満足に動かないという現状である.
そこで今回は代表的な自動染色機について解説するが,機構そのものは簡単でも目的にかなった標本を入手できるまでには染色液や染色時間などについて各施設ごとに十分な検討をして標準術式を確立する必要がある.また標準術式確立後も細胞数の極端に多いもの,少ないものは染色効果が悪いので,細胞数がどの程度になれば別処理をするというような細目の規定も必要になる.
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