今月の主題 染色体
総説
ヒト酵素の染色体地図
吉田 廸弘
1
Michihiro C. YOSHIDA
1
1北海道大学理学部附属動物染色体研究施設
pp.783-790
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912240
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染色体地図
ヒトの遺伝子数は約3万と推定されているが,これまでに種々の疾患や表現型に対応する遺伝子約3,300が知られているにすぎない.その内訳は,常染色体性の優性遺伝をするものが53%,劣性が40%で,残りの7%が伴性遺伝性でX染色体上に存在するものである.この中で染色体上に位置付けされたのは,約20%である.
ヒトの遺伝子地図作成(gene mapping)に関しては,1973年以来昨年(1983年)まで7回の専門の国際会議が開かれ,これまでに発表されされてきた種々の資料の整理・統一がなされ,公表されてきた1).現時点では,900余の遺伝子が22対の常染色体とXY性染色体上へ位置付けされている.遺伝子地図作成には種々の方法があり,これらについての解説・総説がいくつかあるので2〜8),ここでは主なものについてごく簡単に触れるだけにする.
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