資料
レフロトロン®システムの使用経験
林 康之
1
,
上里 富子
2
,
大竹 順子
2
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
2順天堂大学附属医院中検
pp.453-458
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912173
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はじめに
臨床化学検査の自動化は多項目自動分析器の性能向上にともなって新たな診療上の問題を認めさせた.多項目同時処理による検査のシステム化は検体採取から成績の返却まで,完成されたシステムであるほど融通性に欠け緊急時の割り込みを認めない.したがって,一方では高性能機器を利用しながら他方では用手法,簡易法によりその欠陥を埋めることが中央検査部内の組織的な問題となっていた.そしてその緊急性,簡易さを,従来行ってきた測定法精度をそのまま維持した機器の開発が問題の解決につながるという考え方がいわゆるドライケミストリーの研究開発へと発展した.わが国でも富士フイルム社の多層フィルムを用いたものが開発され,Ames社のセラライザーについての使用報告は既に邦文だけでも10編をこえている.われわれは同様の目的をもって開発されたベーリンガーマンハイム社のレフロトロン®システムを試用する機会を得て,血色素定量のみであるが検討した成績を報告する.
またあわせて本システムに関して得た情報をまとめて紹介する.ただ,本システムのもっとも特長とするところは他のシステムと異なり全血,血漿,血清いずれを問わず検体となしうる点で,反射光測光による定量システムであることに変わりはない.
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