研究
血清Ca測定kitの使用経験
大場 操児
1
,
林 康之
2
,
村上 次夫
3
1順大付属病院中央検査部
2順大付属病院医学部臨床病理
3専売公社東京病院中央検査部
pp.619-623
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906482
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はじめに
血清Caの測定は,沈殿法1,2,3),EDTA滴定法4,5),直接比色法6,7),炎光法8),原子吸光法9)などに大別される.しかし沈殿法はCaの沈殿成生物を洗浄する際に,沈殿物の流出が起こりやすく,溶血,黄疸血清はEDTA滴定法の終末点の判定を困難にし,炎光法では燃料による温度,気化槽のぐあい,共存物質の影響が強く,一長一短がある.原子吸光法はまだ検討されつつある状態であり,基準液に何を選定するかという基本的な問題が残されている.これらの定量法の中で日常検査法として採用されているもののうち,Sobel,Clark & Collip法は手数が多いためか敬遠され,検体の微量化,迅速さ,簡便さ,および経済的な理由などから,炎光法,光電比色法,EDTA滴定法を利用しているところが多い.われわれの全国的な集計を見ても374施設中,後者の利用率は39%,34%,17%とほぼ90%が炎光法以下の方法によっている10).
私たちはこのたび,Ferro & Ham法3)を改良したWebster法11)によるCa測定Kit (Haury社)を入手する機会を得たので,Plasmocorinth Bを指示薬とするEDTA滴定法4)を基準とし,他の方法と比較し検討したので,その結果を報告する.
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