今月の主題 循環器〈生理検査〉
総説
デジタル血管造影法
阿部 博幸
1
,
長坂 英雄
1
,
氷見 和久
1
,
内村 忍
1
,
竹本 明子
1
,
林田 憲明
1
,
鎌田 力三郎
1
,
早川 純輔
2
,
岡野 光臣
2
,
相沢 利彦
2
,
松浦 衛
2
Hiroyuki ABE
1
,
Hideo NAGASAKA
1
,
Kazuhisa HIMI
1
,
Shinobu UCHIMURA
1
,
Akiko TAKEMOTO
1
,
Noriaki HAYASHIDA
1
,
Rikisaburo KAMATA
1
,
Junsuke HAYAKAWA
2
,
Mitsuomi OKANO
2
,
Toshihiko AIZAWA
2
,
Mamoru MATSUURA
2
1日本大学医学部放射線医学教室
2日本大学医学部附属病院放射線部
pp.381-392
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911845
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はじめに
デジタル血管造影法はデジタルX線映像法(digital radiography)の一つで,digital subtrac-tion angiography (DSA),digital video angio-graphy (DVA)などとも言われる.
本法は,造影剤の静注により動脈系の画像を得ようとするもので,1939年RobbとSteinberg1)の先駆的な業績がある.しかし,造影剤濃度の薄い動脈を画像化するには種々の画像処理が必要で,1970年初期から,ウィスコンシン大学のMist-retta2,3)らによりその基礎的研究が進められていた.1970年後半には,アリゾナ大学,クリーブランド・クリニックなどで大規模な臨床応用に成功し,カテーテルを使用しない非侵襲的血管造影法として,一気に注目を集めた感がある.血管造影に際して,人体を透過したX線強度を検出器で受け,その出力をデジタル信号化し,種々の処理を行った後,再び映像化するものである.検出器の種類により,三つの方法に分類される.すなわち,イメージ・インテンシファイア(I.I.)を使用するdigital fluorography (DF),C Tの検出器を使用するscanned projection radiography (SPR),高感度イメージングプレートを使用するFuji compu-ted radiographyがそれである.
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