臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
XI.皮膚に関する診断技術
1.発汗試験
石原 勝
1
1東邦大皮膚科
pp.1842-1844
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206911
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エックリン汗腺と発汗
エックリン汗腺は口唇,陰部の一部を除く全身皮膚に200万以上存在し,出生時すでにその機能を発揮している.足底や手掌では分布密度が最も大で,400〜600/cm2,他方,背部や腰部のそれは最も小で手掌,足底の1/6以下である.
汗腺体は通常,真皮深層にあり,直径約20μの腺腔を囲む1層の壁細胞(clear cellとdark cell),その周囲の筋上皮細胞とヒアリン基底膜から成り,壁細胞から分泌された汗は汗管を上行し,汗孔から皮表に排泄される.通常,温熱あるいは精神刺激により,時に神経反射や薬物刺激によって発汗が促され,活動汗腺数の増加,個々汗腺からの汗排出量の増加をみる.発汗は手掌,足底では持続的にみられるが,その他の体部では間歇的に行われている.
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